コラム
歯医者で健康な歯を削られた?削られる理由や対応を解説

歯科治療を受けた際、「痛みもない歯まで削られたのでは」と不安を抱く方もいるでしょう。
実際に、むし歯以外の理由で歯を削る場面はあるものの、説明が不十分なまま治療が進むと、健康な歯を削られたという誤解につながります。
天然の歯は一度失うと元に戻らないため、削る必要性や治療の妥当性を正しく理解しましょう。
本記事では、健康な歯の基準や削る理由、疑問を感じたときの対処法を解説します。
健康な歯とは

「健康な歯」といえば、多くの方はむし歯のない状態を思い浮かべます。
しかし、歯の健康はそれだけで判断できるものではありません。
歯が長く機能を保つには、歯ぐきや骨が歯を適切に支えていることも重要です。
歯周病が進行すると歯を支える組織が弱り、痛みがなくても歯が揺れたり抜けたりすることがあります。
むし歯がないだけでなく、歯周病の影響がないことや、噛む力を保てる状態まで含めて健康といえます。
健康な歯を削る理由
健康な歯を削る理由は、下記のとおりです。
- 噛み合わせ(咬合)の調整
- ブリッジ治療の土台作り
- 歯列矯正のスペース確保
- 審美治療
詳しく見ていきましょう。
噛み合わせ(咬合)の調整
噛む力のかかり方が偏っていると、特定の歯だけに強い負担が集中します。
その結果、欠けやすくなったり顎関節に痛みが出たりすることも。
こうした咬合バランスの乱れは、食いしばり・歯ぎしり・歯並びの個性など、さまざまな要因で生じます。
力のあたり方を均等にするためには、歯の表面をわずかに削って高さを調整する必要があるでしょう。
これは、長期的なダメージを防ぐための処置であり、削る量はごく小さいものです。
しかし、説明が不足していると「健康な歯を削られた」と誤解されやすくなります。
ブリッジ治療の土台作り
歯を失った際、欠損部分を補う治療法の1つがブリッジです。
この治療では、抜けた歯の両隣の歯を支えとして利用するため、被せ物がのるスペースを確保する目的で健康な歯を一回り小さく削ります。
土台にする歯が健全であっても、ブリッジの構造上必要となる工程です。
削る範囲が広いため、事前の説明・合意が不可欠といえます。
患者が目的や負担を理解したうえで治療を選択することが、後悔や不信感を防ぐポイントです。
歯列矯正のスペース確保
歯並びを整える矯正治療では、歯を理想的な位置へ動かすための余白が必要です。
抜歯をせずにスペースを作りたい場合、歯と歯の間のエナメル質を0.3〜0.5mmほど削る「IPR(ディスキング)」が行われることがあります。
この処置は、エナメル質の範囲にとどめるため痛みが出にくく、歯へのダメージも最小限に抑えられるのが特徴です。
とはいえ、健康な歯を削る行為であることに変わりはありません。
治療前にメリットや必要性、削る量を確認しておくことが大切です。
審美治療
セラミッククラウンやラミネートベニアなどの審美治療では、見た目の改善や被せ物の安定性を確保するために歯を削る工程が避けられません。
セラミックを装着するためには厚みが必要で、健康な歯質でもある程度削って形を整える必要があります。
ラミネートベニアの場合は、表面を薄く削ってシェル状のセラミックを貼りつけ、色や形を整えるのが特徴です。
いずれも審美的なメリットが得られる一方、 元に戻せない処置であることから、十分な説明と同意が重要です。
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健康な歯を削るメリット

健康な歯を削ると聞くと悪い印象をもってしまいがちですが、状況によっては治療上のメリットも存在します。
適切な目的で行われた切削は、口内環境の改善や機能回復につながることがあります。
具体的なメリットは下記のとおりです。
- 噛み合わせが整い、歯や顎への負担が減る
- ブリッジ・部分入れ歯などの補綴物が安定しやすい
- セラミック治療により見た目を美しく仕上げられる
- 矯正治療で抜歯を避けつつスペースを確保できる場合がある
- 噛む力や発音などの機能面が改善することがある
こうしたメリットがあるため、必要性を見極めたうえで行われる切削は治療の効果を高める役割をもちます。
健康な歯を削るデメリット
解説健康な歯を削ることには取り返しのつかないリスクもあります。
歯質は一度失うと再生しないため、削る判断には慎重さが求められます。
代表的なデメリットは、下記のとおりです。
- 削った歯質は元に戻らない
- 歯が薄くなり、知覚過敏の原因になる
- むし歯が進行した際の治療が難しくなる
- 補綴物が外れたり割れたりする可能性がある
- 歯の強度が弱まり、将来的に抜歯リスクが高まる
こうしたデメリットを理解しておくことで、治療前の判断や歯科医との相談が適切に行えるようになります。
歯医者で健康な歯を削られたと感じた場合の対応
治療後に「本来削る必要のない歯まで処置されたのでは?」と不安を覚えたときは、まず冷静に状況を整理することが大切です。
治療の意図や削った範囲を確認するため、施術した歯科医院に説明を求めましょう。
その際、レントゲン画像や口腔内写真を一緒に確認すると判断しやすくなります。
また、痛みが続く場合は一時的な知覚過敏の可能性もあります。
刺激を避けるケアや知覚過敏用の歯磨き粉で、症状を和らげることも効果的です。
症状が改善しない場合は、別の歯科医院でセカンドオピニオンを受けることで、治療の妥当性を客観的に評価できます。
信頼できる歯医者を選ぶコツ
歯の治療は専門的な判断が多く、患者側からは処置の必要性が分かりにくいものです。
そのため、安心して任せられる歯科医院を選ぶことが、健康な歯を守る大きなポイントになります。
信頼性の高い歯医者を見極めるポイントは、下記のとおりです。
- 丁寧に説明してくれる
- 削る理由を明確に伝えてくれる
- 定期検診と予防を重視している
詳しく解説します。
丁寧に説明してくれる
頼れる歯科医は、患者が納得して治療を受けられるように、手順や選択肢を丁寧に説明してくれます。
専門用語に終始せず、写真や画像などを活用し、視覚的に理解しやすい説明を心がけている医院は信頼性が高い傾向があります。
また、質問に対して嫌な顔をせず答えてくれるかどうかも重要な指標です。
治療前に十分にコミュニケーションが取れる歯科医であれば、「なぜ削るのか」「どれくらいの範囲を処置するのか」など、疑問を残さず治療に進められるでしょう。
削る理由を明確に伝えてくれる
健康な歯を削る治療には、下記のように明確な理由が存在します。
- 噛み合わせ調整
- 補綴治療
- 矯正
- 審美目的
しかし、患者に理由を伝えずに治療を進めてしまうと、「勝手に削られた」という不信感につながります。
信頼できる歯医者にかかれば、削る必要がある場合には背景や目的、予測されるリスクまで丁寧に説明してもらえるでしょう。
代替案がある場合は、複数の選択肢を提示してくれます。
説明の透明性は医院を選ぶ大きな基準であり、自分に合った治療を主体的に選びやすくなるでしょう。
定期検診と予防を重視している
信頼できる歯科医院は、治療だけでなく「問題を未然に防ぐ」姿勢を重視しています。
3〜6ヶ月ごとの定期検診を推奨し、クリーニングや歯石除去に加えて、初期のむし歯や歯周病の兆候を早期にチェックしてくれます。
予防中心の医院では、患者が歯を削らずに済むように、セルフケアの指導や生活習慣のアドバイスも積極的に行っているのが特徴です。
治療ありきではなく、歯を守るためのサポートに力を入れている歯医者は、長期的に見ても安心して通える存在です。
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まとめ:信頼できる歯科医を選び、将来の歯を守る習慣を身つけよう
健康な歯を削る処置には、目的があって行われるケースもあれば、不安や誤解が生まれやすい場面もあります。
大切なのは治療の背景を理解し、自分の歯がどのような状態にあるのかを把握することです。
疑問を感じたら、遠慮せず説明を求めましょう。
必要であればセカンドオピニオンを活用することで、納得したうえで治療を受けられます。
また、むし歯や歯周病を早期に見つけるためには、日頃のケアに加え、定期検診が欠かせません。
墨田区の「重井歯科医院」では、患者様が安心して治療を選べるように、丁寧な説明と予防中心の診療を重視しています。
地域に根ざした歯科医院として、年代を問わず通いやすい環境作りにも力を入れています。
将来の歯を守るためにも、気になることがあればいつでも重井歯科医院へご相談ください。
この記事の監修者

山中 邦成
重井歯科医院 院長
《略歴》
2009年3月 明海大学歯学部卒業
2011年4月~2012年3月 明海大学病院勤務
2012年4月~2024年4月 都内歯科医院勤務
2024年5月~ 重井歯科医院開院



