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歯科の定期検診は意味ない?必要性やメリットを解説
2025/10/29
歯が痛くなったり、詰め物が取れたりしたときだけ歯医者に行くという方は少なくありません。
しかし、歯のトラブルは自覚症状がないまま進行することも多く、気づいたときには治療が長引いてしまう場合があります。
定期検診は本当に必要なのかと疑問に思う方もいますが、実際には歯だけでなく全身の健康を守るためにも欠かせません。
本記事では、歯科の定期検診の目的や必要性、メリットを解説します。
定期検診の必要性に迷っている方は、参考にしてください。
歯科の定期検診とは?
歯科の定期検診とは、虫歯や歯周病などのトラブルを早期に発見し、重症化を防ぐために行う「予防を目的とした通院」のことです。
ここでは、定期検診の目的と歯科健診との違いをみていきましょう。
定期検診の目的
歯科の定期検診の目的は、虫歯や歯周病を早期に発見し、進行を防ぐことです。
これらの病気は自然に治ることがなく、痛みが出る頃には治療が大がかりになることもあります。
検診では、歯や歯ぐきの状態をチェックするほか、歯石や歯垢を除去し、口内を清潔に保ちます。
歯磨きの癖や生活習慣を見直すアドバイスも受けられるため、日常のケアの質も高められる点が魅力です。
「治療のために行く」のではなく「健康を守るために通う」という観点が重要です。
歯科健診との違い
歯科検診と似た言葉に「歯科健診」がありますが、目的や実施場所が異なります。
歯科検診は、歯科医院で行われる個別の検査・クリーニングで、虫歯や歯周病の早期発見・予防を目的としています。
必要に応じてレントゲン撮影を行い、肉眼では見えないトラブルも確認するのが特徴です。
一方、歯科健診は、自治体や学校、企業などが実施する集団健診のことです。
おもに、歯の健康状態を把握することを目的としています。
健診では診断や治療は行わず、あくまでチェックと助言にとどまります。
そのため、健診で異常が見つかった場合は、歯科医院での検診や治療を受けることが大切です。
歯科の定期検診が必要な理由
定期検診が重要とされるのは、虫歯や歯周病が自然に治らない病気だからです。
丁寧に歯を磨いても、歯の隙間や歯ぐきの深部には細菌が残りやすく、気づかぬうちに進行してしまいます。
放置すれば、歯を削る・神経を抜くなどの治療が必要になることも。
歯周病菌は血流を通じて全身に影響を及ぼし、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高めることが明らかになっています。
健康な歯を長く保つためにも、3〜6ヶ月ごとに定期検診を続け、トラブルを初期の段階で防ぐことが重要です。
定期検診のおもな内容
歯科の定期検診では、虫歯や歯周病の早期発見に加えて、口腔全体の健康維持を目的としたチェックとケアを行います。
具体的な内容は、下記のとおりです。
| 内容 | 詳細 |
| 口腔内のチェック | ●虫歯・歯周病・噛み合わせの確認 ●歯周ポケットの深さや出血の有無を測定する「歯周組織検査」も実施 |
| 歯のクリーニング(PMTC) | 専用機器で歯垢や歯石を除去し、口内を清潔に保つ口臭予防や着色汚れ対策にも効果的 |
| ブラッシング指導 | 歯並びや磨き残しの傾向に合わせて、正しい磨き方や歯間ブラシ・フロスの使い方を指導 |
| 唾液検査・生活習慣アドバイス | 唾液量や成分を調べ、虫歯リスクや食習慣に応じた予防方法を提案 |
定期検診は、治療ではなく「トラブルを防ぐための管理」として行われます。
歯科検診の費用相場
歯科検診の費用は、保険の範囲内で行うか、自費診療を含めるかによって異なります。
費用の目安は以下のとおりです。
| 区分 | 内容・範囲 | 費用の目安 |
| 保険診療 | 虫歯・歯周病のチェック、歯石除去、歯周ポケット測定など | 約2,000〜3,500円 |
| 自費診療 | 審美目的のクリーニング、ホワイトニング、唾液検査など | 約5,000〜1万5,000円 |
2020年度の診療報酬改定によって、歯周病の重症化予防や定期的なメインテナンスが保険適用の対象に加わりました。
さらに、2024年度の改定でも「口腔疾患の重症化予防」や「口腔機能管理の充実」など、予防歯科を重視する流れが継続しています。
医院によって料金設定や対象処置が異なるため、受診前に確認しておくと安心です。
歯科の定期検診を受けるメリット
定期検診は「痛みが出てから治療する」ためではなく、歯の健康を長く維持するための予防的な通院です。
ここでは、歯科の定期検診で得られるおもなメリットを解説します。
●虫歯・歯周病の早期発見につながる
●セルフケアでは落とせない汚れを除去できる
●将来的な治療費や通院負担を減らせる
●口腔トラブルに気づける
●正しい歯磨き方法を身につけられる
詳しく見ていきましょう。
虫歯・歯周病の早期発見につながる
虫歯や歯周病は、初期の段階では痛みや腫れといった自覚症状がない場合が大半です。
そのため、気づいたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。
定期検診を受けることで、歯や歯ぐきのわずかな変化にも気づけるため、早い段階で治療をスタートできます。
初期の虫歯であれば削らずに経過観察で済むことも。
歯周病も軽度のうちにケアすれば、治療期間や痛みを大きく減らせます。
歯科検診は、症状が出てから治療するのではなく「小さな異変を見逃さない」ための重要な機会です。
セルフケアでは落とせない汚れを除去できる
毎日歯を磨いていても、歯と歯の間や歯ぐきの溝などには汚れが残りやすいものです。
時間が経つと、プラーク(歯垢)は歯石に変化し、通常のブラッシングでは除去できなくなります。
定期検診では、歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニング(PMTC)で、歯石やバイオフィルムを徹底的に除去します。
見た目の清潔感が向上するだけでなく、口臭予防や歯ぐきの炎症予防にもつながるのが魅力です。
家庭のケアとプロのメンテナンスを組み合わせることで、長く健康な口内環境を保てます。
将来的な治療費や通院負担を減らせる
定期的な検診に通うことは、結果的に医療費や通院時間の節約にもつながります。
虫歯や歯周病が進行してから治療すると、複数回の通院や高額な治療費が必要になる場合もあります。
一方、早期に異常を発見して対処すれば、処置も軽度で済み、費用も抑えられるでしょう。
「少しずつの予防」が、将来の大きな負担を防ぐ効率的な方法といえます。
口腔トラブルに気づける
定期検診では、虫歯や歯周病以外にも、さまざまな口内トラブルの早期発見が期待できます。
とくに、下記の症状は、自覚しにくい代表的な問題です。
●詰め物や被せ物のズレ
●噛み合わせの不調
●歯ぎしりによる摩耗
舌や頬の内側、歯ぐきの変色などから、口腔がんの初期兆候を見つけられる場合もあります。
自分では「少し違和感がある程度」と感じていても、プロの目で見れば深刻な症状の前兆ということも。
定期的なチェックは、目に見えないトラブルを防ぐための健康管理の第一歩です。
正しい歯磨き方法を身につけられる
定期検診では、歯科衛生士が磨き方や歯ブラシの選び方を指導してくれます。
歯並びや噛み合わせ、磨き残しの癖をもとに、適切なブラッシング方法を提案してもらえるのが魅力です。
歯間ブラシやフロスの使い方も学べるため、毎日のケアが格段に効率的になります。
正しい磨き方を身につけることで、プラークの再付着を防ぎ、検診の効果も長持ちします。
「歯磨きのプロから学ぶ」ことが、将来の健康な歯を守る自己投資といえるでしょう。
歯科の定期検診を受けるデメリット
歯科の定期検診は多くのメリットがありますが、生活スタイルや体質によっては負担に感じる点もあります。
ここでは、歯科の定期検診を受けるデメリットを紹介します。
●日程を調整する必要がある
●痛みが生じる場合がある
詳しく見ていきましょう。
日程を調整する必要がある
定期検診は3〜6ヶ月に1回のペースで通うのが理想です。
仕事や家事、子育てなどで忙しい方にとっては、スケジュール調整が負担になるかもしれません。
平日しか予約を受け付けていない歯科医院では、通院のタイミングを合わせにくい場合もあるでしょう。
しかし、痛みや腫れなどの症状が出てから受診する場合、複数回の通院や長時間の治療が必要になることも少なくありません。
結果的に、早期に検診を受けていた方が、時間的な負担を減らせる可能性があります。
定期検診を無理なく続けるために、自分の生活リズムに合った通いやすい歯科医院を選びましょう。
痛みが生じる場合がある
定期検診の内容は、基本的に痛みを伴うものではありません。
ただし、歯石除去や歯ぐきの状態によっては、「しみる」「チクッとする」といった軽い刺激を感じることがあります。
歯ぐきが炎症を起こしていたり、歯周ポケットが深かったりする場合には、出血を伴うことも。
こうした違和感は、治療の痛みとは異なり、一時的なものです。
歯科医院では、痛みに配慮した処置や、患者さんの状態に合わせたクリーニング方法を行うため、過度に心配する必要はありません。
定期検診を受けておくことで、痛みを感じやすい原因を減らし、今後のトラブルを予防できます。
歯科の定期検診を受ける頻度の目安
定期検診は「痛みが出たとき」ではなく、「健康を維持するため」に通うものです。
しかし、どれくらいの間隔で受ければよいのか迷う方も多いでしょう。
ここでは、歯科の定期検診を受ける頻度の目安を紹介します。
●3〜6ヶ月に1回が理想
●リスクが高い場合は1〜2ヶ月に1回の頻度
理想的な通院頻度はお口の状態や生活習慣によって異なるため、事前に把握しておきましょう。
3〜6ヶ月に1回が理想
多くの歯科医師が推奨しているのは、3〜6ヶ月に1回の定期検診です。
このサイクルであれば、歯石やプラークの再付着を防ぎやすく、虫歯や歯周病を初期段階で発見できます。
半年以上空けてしまうと、汚れが固着して歯石になり、歯ぐきの炎症が進みやすくなるため、注意が必要です。
とくに歯周病は進行しても痛みがないまま悪化することがあるため、定期的なチェックが欠かせません。
検診のたびに口内をクリーニングすることで、常に清潔な環境を保ち、健康な歯を長く維持できます。
リスクが高い場合は1〜2ヶ月に1回の頻度
下記の方は、1〜2ヶ月に1回の短い間隔で検診を受けるのが望ましいとされています。
●喫煙習慣がある方:歯ぐきの血流が悪くなり、炎症に気づきにくい
●糖尿病を患っている方:免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすい
●虫歯・歯周病を繰り返している方:細菌の再発リスクが高い
●矯正治療中の方:装置まわりに汚れが溜まりやすい
●妊娠中の方:ホルモン変化で歯ぐきが腫れやすい
こうした方は、短いサイクルでのフォローを続けることで、口腔トラブルを早期に発見・予防できます。
歯科医と相談しながら、自分のリスクに合った受診間隔を決めましょう。
まとめ:自分の歯を長く大切にするために、定期検診を受けよう
歯の健康は、一度失うと元に戻すことができません。
痛くなってから通うのではなく、悪くならないように通うことが大切です。
定期検診を受けることで、虫歯や歯周病を早期に発見・予防でき、将来的な治療費や通院の負担を大幅に減らせます。
「重井歯科医院」では、地域の方が気軽に相談できる通いやすい歯医者を目指し、保険診療を中心に、痛みに配慮した優しい治療と予防ケアを行っています。
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