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親知らずの抜歯費用はいくら?内訳や注意点を解説
2025/10/29
親知らずの抜歯を検討する際に「どのくらい費用がかかるのか」「本当に抜くべきなのか」と不安を抱く方も少なくありません。
抜歯の費用は、生え方や処置の難易度、保険の適用範囲によって異なります。
本記事では、親知らずの抜歯が必要なケース、費用の目安や注意点を解説します。
自分の歯の状態を理解し、適切な判断をするための参考にしてください。
親知らずとは?
親知らずは、正式には「第三大臼歯」と呼ばれる歯で、奥歯のさらに奥に生える永久歯です。
まっすぐに生えるケースは少なく、斜めや横向きに生えることも。
生え方によっては、歯ぐきの腫れや痛み、虫歯などの原因になります。
抜歯が必要になる場合もあるため、定期的な歯科検診で状態を確認する必要があります。
親知らずが生える時期
親知らずは一般的に、思春期を過ぎた18歳前後から20代半ばにかけて生えてくることが多い歯です。
「親が知らないうちに生える歯」といった意味から、その名がついたといわれています。
ただし、すべての方に必ず生えるわけではありません。
そもそも親知らずが存在しない方や、30代以降になってから遅れて生えてくるケースもあります。
生える時期や本数には個人差があるため、違和感や痛みを感じたら早めに歯科を受診するのがおすすめです。
親知らずは抜くべき?判断の目安
親知らずは必ず抜歯しなければならないわけではありません。
ここでは、抜いたほうがよいケースと、抜かなくてもよいケースの判断ポイントを紹介します。
抜いたほうがよいケース
下記のような状態の方は、抜歯を検討することをおすすめします。
●親知らずが虫歯になっている
●歯ぐきが腫れて痛む
●斜めや横向きに生えている
このような親知らずは、歯ブラシが届きにくく清掃が難しいため、炎症や虫歯を繰り返すリスクがあります。
場合によっては、親知らずが手前の歯を圧迫して歯並びを乱し、顎や神経に痛みが広がることも。
矯正治療を予定している方も、親知らずが歯の移動を妨げるため、事前に抜歯を行うケースがあります。
このような場合は、歯科医に相談し、適切なタイミングで処置を受けましょう。
抜かなくてもよいケース
親知らずが正常に生えており、上下の歯のかみ合わせがよく、歯磨きで清潔に保てている場合は、抜歯の必要はありません。
痛みや炎症がなく、隣の歯・顎の骨にも悪影響がない状態であれば、経過観察する場合もあります。
ただし、親知らずはあとから傾いたり、虫歯が進行したりする可能性もあり、定期的なチェックが欠かせません。
歯ぐきの奥に食べかすが溜まりやすい場合や、かみ合わせがズレてきた場合は早めの診察を受けましょう。
「抜かなくてもよい」と判断されたとしても、変化がないか確認し続ける必要があります。
【状態別】親知らずの抜歯にかかる費用の相場
親知らずの抜歯費用は、生え方や埋まり具合など「歯の状態」によって異なります。
ここでは、生え方別に一般的な費用相場の目安を紹介します。
真っ直ぐ生えている場合
まっすぐに生えている親知らずを抜く処置は、「通常抜歯」と呼ばれています。
骨を削る必要がないため、局所麻酔のみの短時間で終わるケースが多いでしょう。
保険が適用される場合、自己負担額は1,000円〜2,000円程度、自由診療の場合は、5,000円〜6,000円前後が目安です。
抜歯後には、痛み止めや抗生物質などの薬代が別途かかりますが、3,000円前後に収まる傾向です。
症状が軽い場合は、費用・時間ともに負担が少なく済みます。
斜めに生えている場合
斜めに生えている親知らずは、歯ぐきに一部が埋まっているケースが多く、抜歯時に切開や骨の削除が必要になることがあります。
このような「難抜歯」に分類される処置の費用の目安は、下記のとおりです。
●保険適用時:3,000円〜5,000円程度
●自費診療:1〜2万円程度
手術中は麻酔の使用量も増えるため、処置時間が長くなりやすい傾向にあります。
抜歯後に腫れや痛みが出やすいため、再診や薬の処方費が追加される場合も。
斜めに生えた親知らずは、放置すると隣の歯を押して歯並びに影響することもあるため、早めの処置が推奨されます。
真横に生えている場合
真横に生えている親知らずは「水平埋伏歯(すいへいまいふくし)」と呼ばれており、もっとも難易度が高い抜歯です。
歯が完全に骨や歯ぐきの中に埋まっており、外科的な手術が必要です。
保険適用での自己負担は5,000円前後、自費診療では3万円を超えることもあります。
処置にはCT撮影や切開・骨削除が伴うことが多く、安全性と精度を優先した治療が行われます。
なお、術後の腫れや痛みも比較的強めです。
このようなケースでは、一般歯科よりも口腔外科での手術が推奨されます。
親知らずの抜歯以外にかかる費用
親知らずを抜く際には、抜歯そのものの費用以外にもさまざまな費用が発生します。
おもな費用の内訳は、下記のとおりです。
●初診・検査・レントゲン費用
●麻酔や鎮静にかかる費用
●薬代・再診費用
詳しく見ていきましょう。
初診・検査・レントゲン費用
親知らずを安全に抜くためには、まず歯の位置や神経との距離を確認する検査が必要です。
初診料は保険適用で500〜1,000円ほど、通常のレントゲン撮影は1,000〜2,000円前後が目安です。
親知らずが深く埋まっている場合や神経に近い位置にある場合は、詳細に確認できるCT撮影を行うこともあります。
この場合は、追加で3,000〜1万円程度必要になります。
検査は安全な抜歯のための重要な工程です。
不明な点があれば、歯科医から説明を受けましょう。
麻酔や鎮静にかかる費用
抜歯時は、痛みを抑えるための麻酔が使用されます。
一般的な局所麻酔は保険が適用され、費用は数百円〜1,000円程度と比較的安価です。
治療への恐怖や強い不安がある場合には、静脈内鎮静法が選択されることもあります。
鎮静法は保険適用で2,000〜3,000円前後、自費では3〜5万円程度が目安です。
完全に意識を失うわけではなく、リラックスした状態で治療を受けられるため、恐怖心が強い方に向いています。
薬代・再診費用
抜歯後は、痛みや腫れを抑えるために痛み止めや抗菌薬が処方されます。
薬代の目安は1,000〜1,500円ほどで、薬剤情報提供料を含む場合もあります。
抜糸や消毒などで再診が必要になった際には、1回あたり400〜800円ほどかかるのが一般的です。
腫れや出血などが長引いた場合は、追加の診察料が発生することも。
薬代や再診費は大きな額ではありませんが、複数回通院が必要になることを想定し、トータルの費用を考慮しておくと安心です。
親知らずの抜歯は保険適用になる?
親知らずの抜歯は、多くのケースで健康保険が適用されます。
虫歯や炎症、痛みなど「治療目的」がある場合は保険の対象になります。
3割負担で、数千円〜1万円前後が一般的な費用です。
一方で、歯列矯正や審美目的の抜歯など「便宜抜歯」と呼ばれるものは、自由診療扱いとなるため全額自己負担になります。
抜歯費用や通院交通費などは、医療費控除の対象になる場合もあるため、領収書は保管しておくとよいでしょう。
不明点がある場合は、事前に歯科医院で保険適用範囲を確認しておくことをおすすめします。
親知らずを抜歯する際の流れ
親知らずの抜歯は、事前の検査から術後ケアまでを含めて数段階の流れで行われます。
一般的な手順は、下記のとおりです。
| ステップ | 詳細 |
| 1.問診・検査 | 口腔内診察とレントゲン(必要に応じてCT)で歯の位置や神経との距離を確認 |
| 2.治療計画の説明 | ●抜歯方法・費用・期間などを歯科医から説明される ●納得したうえで同意書を作成 |
| 3.麻酔・抜歯処置 | ●局所麻酔または鎮静法を使用し、痛みを抑えて抜歯する ●骨の一部を切除、または縫合が必要な場合もある |
| 4.術後ケア・再診 | ●抗生剤・痛み止めを処方し、1週間前後で消毒・抜糸を行う ●再発防止のため、経過観察も実施する |
抜歯は1日で完了しますが、状態によっては複数回通院が必要になることもあります。
親知らずを抜歯する際の注意点
親知らずの抜歯は、処置自体よりも「抜歯後のケア」がポイントです。
下記の注意点を押さえておきましょう。
●抜歯後の痛み・腫れに注意する
●炎症を放置するとトラブルにつながる
詳しく解説します。
抜歯後の痛み・腫れに注意する
親知らずを抜いたあとは、数日間は腫れや痛みが生じるのが一般的です。
とくに2〜3日目に症状がピークとなり、1週間ほどで落ち着くケースが多いでしょう。
この期間は、下記のような血行を促進するような行為は控え、安静を心がけてください。
●長風呂
●運動
●飲酒
●喫煙
冷たいタオルなどで軽く患部を冷やすと、腫れの軽減に効果的です。
痛み止めは麻酔が切れる前に服用すると、よりスムーズに痛みを抑えられます。
過度なうがいや舌での刺激は、かさぶた(血餅)が取れて治りが遅くなる原因となるため注意が必要です。
炎症を放置するとトラブルにつながる
抜歯後に腫れや痛みが長引いたり、口の中に違和感を覚えたりする場合は、炎症や感染を起こしている可能性があります。
とくに「ドライソケット」と呼ばれる状態では、抜歯後の傷口を保護する血餅が失われ、骨が露出して強い痛みを感じます。
放置すると治癒まで10日以上かかることもあるため、早めの受診が大切です。
抗生物質は処方どおりに最後まで服用し、途中でやめないようにしましょう。
下記の行為は感染リスクを高めるため、控えるのが賢明です。
●患部を触る
●頻繁にうがいをする
●喫煙を再開する
少しでも異常を感じた場合は、自己判断せず歯科医院に相談してください。
親知らずの抜歯費用に関するよくある質問
ここでは、親知らずの抜歯費用に関するよくある質問を紹介します。
●親知らずの抜歯費用は歯科医院によって違いますか?
●親知らずをまとめて抜くと費用は安くなりますか?
●どのタイミングで抜歯するのがよいですか?
詳しく見ていきましょう。
親知らずの抜歯費用は歯科医院によって違いますか?
親知らずの抜歯費用は、基本的に全国どこでも大きな差はありません。
保険診療で行う場合は、厚生労働省が定めた「診療報酬点数表」にもとづいて算出されるため、同じ処置であれば料金は共通です。
ただし、感染対策設備や麻酔管理など、安全性を高める環境を整えた医院では、わずかに加算されることも。
CT撮影や静脈内鎮静法などの追加処置がある場合や、自由診療を選択した場合は医院ごとに費用が異なります。
費用だけで判断せず、設備や医師の経験も含めて比較しましょう。
親知らずをまとめて抜くと費用は安くなりますか?
複数の親知らずを同日に抜く場合、結果的に費用を抑えられることがあります。
1本ずつ抜くと、その都度、初診料や再診料が発生します。
同日にまとめて処置を受ければ、これらの費用が一度で済むため、総額が少し安くなるでしょう。
しかし、4本すべてを一度に抜く場合は、麻酔や鎮静の負担が大きくなることも考えられます。
全身麻酔を用いた場合は、自由診療扱いで高額になるため、注意が必要です。
費用面と身体への負担を考慮し、歯科医と相談のうえで最適な抜歯スケジュールを決めましょう。
どのタイミングで抜歯するのがよいですか?
親知らずの抜歯は、痛みや腫れが出てからではなく、症状が軽いうちに行うのが理想です。
炎症が起きていると麻酔が効きにくく、手術時間が長くなる場合もあります。
若いほど骨が柔らかく回復も早いため、20代のうちに抜歯しておくと、負担が少なく済む場合があります。
とくに斜めや横向きに生えている親知らずは、将来的に虫歯や歯並びの乱れを引き起こす可能性も。
痛みが出ていなくても定期検診で歯科医に相談し、最適なタイミングを判断しましょう。
まとめ:費用を比較して、自分に合った歯科医院を見つけよう
親知らずの抜歯費用は、生え方や治療内容によって異なります。
費用だけでなく、治療の丁寧さやアフターケアの充実度なども含めて比較し、自分に合った歯科医院を選びましょう。
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痛みに配慮した麻酔方法やリラックスできる空間作りなど、はじめての方にもやさしい環境を整えています。
費用面や治療内容に不安がある方は、一度ご相談ください。
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